- 2013年10月23日
GPSユニットを内蔵し、本格的なAPRS運用を可能としたアマチュア無線機
144/430MHz FMデュアルバンダー「TM-D710G」シリーズを新発売
株式会社JVCケンウッドは、ケンウッドブランドより、GPSユニットを内蔵し、本格的なAPRS(Automatic Packet Reporting System)※1運用をより身近にした、144/430MHz FMデュアルバンダー「TM-D710G」シリーズを11月中旬より発売します。
※1:1992年にWB4APR(Mr. Bob Bruninga)が開発して以来、世界中で数万人のユーザーが使用している位置情報、英文字メッセージ、気象情報などのやり取りが可能なデータ通信システム。
品名 | 型名 | 希望小売価格(税込) | 発売時期 |
---|---|---|---|
144/430MHz FMデュアルバンダー(50W) | TM-D710GS | 93,975円 | 2013年11月中旬 |
144/430MHz FMデュアルバンダー(20W) | TM-D710G | 88,725円 |
「TM-D710GS/G」
●企画背景と製品の概要
当社は、早くからAPRSをはじめとする無線とGPSデータ通信の融合に取り組み、国内向け無線機としていち早くAPRS機能を内蔵したモービル機「TM-D710」シリーズ(2007年8月)を発売しました。続いて、GPS内蔵のハンディー機「TH-D72」を発売(2010年12月)し、本体のみでAPRS運用が開始できる手軽さから好評を得てきました。
今回、「モービル機においてもGPSの接続を容易に行いたい」というユーザーからの要望を受け、GPSユニットを内蔵し、APRSを気軽に楽しんでいただけるモービル機「TM-D710G」シリーズを発売します。
「TM-D710G」シリーズは、従来より好評の「TM-D710」シリーズをベースに、操作パネルにGPSユニットを内蔵することで、本格的なAPRS運用を本機単体で可能となりました。
さらに、これまでと同様にデータ通信システム「NAVITRA -ナビトラ※2」や、EchoLink※3 Sysopモードに標準対応し、144/430MHz帯アマチュア無線機を使った新しい運用スタイルを提案します。
※2:GPS受信機で受信した位置情報と文字データを、アマチュア無線機を利用し相互通信できる日本向けシステム。
※3:VoIP(インターネット経由の音声通信)を利用してアマチュア無線を中継するシステムの一種。
●「TM-D710Gシリーズ」の主な特長
1.GPSユニットを内蔵
移動局でのAPRS運用向けに、GPSユニットを操作パネルに内蔵しました。本格的なAPRS運用が本機単体で可能です。GPSロガー機能、マークウェイポイント機能、ターゲットポイント機能、自動時刻補正機能なども搭載し、GPSを使った運用の可能性を広げます。
・GPSロガー機能
最大5000ポイントの位置情報を本体内蔵メモリーへ保存できます。保存するタイミングは、時間間隔、移動距離、ビーコン 送信ポイントの3種類の中から指定が可能。また、メモリーコントロールプログラム「MCP-6A」※4でGPSログ情報をGoogle EarthTM地 図サービスに対応したkmlファイル形式に変換できます。
※4:「MCP-6A」は、2013年11月中旬よりケンウッドWebサイトにて無償ダウンロード開始予定です。
・マークウェイポイント/マークウェイポイントリスト(100件登録可能)
現在位置の地点情報(緯度、経度、高度、時刻、ネーム、アイコン)をワンタッチで登録することが可能です。マークウェイポ イントリストでネームとアイコン情報の編集も可能です。
・ターゲットポイント機能
目標地点(最大5つまでプリセット可)までの距離と方角をリアルタイムに表示します。方角表示はノースアップ(北上)に加 え、分かりやすいヘディングアップ(進行方向上)へもワンタッチで切り替え可能です。
・グリッドスクウエアロケーター表示機能
自局位置のグリッドスクウエアロケーターを表示することが可能です。
・自動時刻補正
各種運用に必要な内蔵時計はGPSデータを使い自動補正します。
2.データ通信システム「APRS」を標準搭載
APRS開発者であるBob Bruninga(WB4APR)氏の協力により、APRSに対応したプログラムを開発。このプログラムとGPSを本体に内蔵※5することで、PCを必要としない手軽なAPRS運用を可能にしました。位置情報、方向/距離、気象情報などの情報を共有しメッセージの交換も可能です。
※5:外部GPSユニットの使用も可能。
3.データ通信システム「NAVITRA -ナビトラ」にも標準対応
受信したナビトラのパケットデータはAPRSパケットデータと同じステーションリストで扱われますので、最大100局まで保持します。ビーコンには、位置情報の他にカタカナ、英数字、記号で最大20文字のメッセージを埋め込み送信することができます。
4.AX.25準拠1200 / 9600bpsパケット対応TNC内蔵
AX.25準拠のTNC(Terminal Node Controller)を内蔵し、本体のみで本格的なAPRS、ナビトラの運用が可能 です。またPCに直接接続すれば、1200/9600bpsのパケット通信、IGate局の運用等が可能です。
5. EchoLink Sysopモード機能で、ノード局を運用
本機と、EchoLinkソフトウェアをインストールしたPCと接続してEchoLinkのノード局を簡単にセットアップで きます※6。IGate局やデジピーターとEchoLinkのノード局との同時運用も可能※7です。
※6:接続にはオプションのPC用ケーブルキット「PG-5H」が必要です。
※7:パケットモードで内蔵TNCとパソコンとを接続する場合は、EchoLink Sysopモードで使用する「PG-5H」のほかに、シリアル通信ケーブル「PG-5G」も必要です。
6.ノード局に簡単アクセス、EchoLink メモリー
最大10個のEchoLink専用DTMFメモリーに、コールサインとノード番号、制御コマンドなどを登録することがで きます。また、コールサイン・DTMF自動変換機能により、“Connect by call”や“Query by call"も簡単な操作で行うことができます。さらに、「MCP-6A」でEchoLinkメモリーの管理も可能です。なお、無線機からEchoLinkのノード局にアクセスするだけの場合は、専用ソフトウェアやコールサインの登録は必要ありません。
7.大型セパレート式パネルで操作性が向上
操作性と設置自由度を重視したセパレート式の大型パネルは、各キーの機能を液晶に表示させることにより、 多彩な機能へすぐアクセスできます。車載用にはパネルアングルを、卓上用としてはベーススタンドを使用した 設置台と、2種類のパネル設置台を同梱しました。大型周波数表示は、フルドットマトリクス液晶を採用しLCD バックライトは、2色から選択可能です。
8.同一バンド内2波同時受信(V×V、U×U)機能
144MHz帯と430MHz帯の2波同時受信機能に加えて、同一バンド内の2波同時受信機能を持っています。
9.メモリーコントロールプログラム(「MCP-6A」)対応
メモリーコントロールプログラム「MCP-6A」を使えば、PC上でメモリーチャンネルやAPRS/ナビトラ、EchoLink各種 機能の設定、カスタムスタートアップ画面などのデータ作成・編集・管理をすることができます※8。PC接続用端子は、本体背面、パネル背面の2箇所あり、運用スタイルに合わせて使用できます。
※8:PCとの接続にはオプションの「PG-5G」または「PG-5H」が必要です。
10.ワイドバンド受信機能に空線信号キャンセラーを3波搭載
118〜524MHz、800〜1300MHzの広帯域受信機能を搭載。さらに、鉄道無線受信時に役立つ、3種類の空線信号キャンセラーに対応。
11.音声合成ユニット「VGS-1」(オプション)によるボイスガイド/ボイスストレージ対応
オプションの「VGS-1」を装着すると、キー操作を音声アナウンスにより確認できます(APRSメニューの内容も読 み上げ可能)。またボイスメッセージや30秒までの常時録音も可能です。
●主な定格
TM-D710GS | TM-D710G | ||||
一般仕様 | |||||
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送信周波数範囲 | Band A & B | 144 – 146 MHz | |||
430 – 440 MHz | |||||
受信周波数範囲 | Band A | 118 – 524 MHz* | |||
Band B | 136 – 524 MHz* | ||||
800 – 1300 MHz* | |||||
(*セルラーバンド等一部周波数を除く) | |||||
電波型式 | F1D、F2D、F3E | ||||
アンテナインピーダンス | 50Ω | ||||
電圧範囲 | DC13.8V ±15% (マイナス接地) | ||||
使用温度範囲 | -20°C 〜 +60° C | ||||
周波数安定度 | ±5ppm以内(-10°C ~ +50°C) | ||||
消費電流 | 送信時 | 144MHz帯 | HI | 13.0A以下 | 7.5A以下 |
MID | 5.5A以下 | 4.5A以下 | |||
LOW | 4.0A以下 | 3.5A以下 | |||
430MHz帯 | HI | 13.0A以下 | 8.0A以下 | ||
MID | 6.5A以下 | 4.5A以下 | |||
LOW | 5.0A以下 | 3.5A以下 | |||
受信時 | 1.2A以下 (低周波出力2W時) | ||||
寸法(幅 x 高さ x 奥行) | 突起物含まず | パネル部 | 155 x 70 x 38 mm | ||
本体部 | 140 x 43 x 142 mm | ||||
突起物含む最大寸法 | パネル部 | 156 x 71 x 56 mm | |||
本体部 | 140 x 44 x 158 mm | ||||
質量 | パネル部 | 約0.3kg | |||
本体部 | 約1.2kg | ||||
送信部 | |||||
送信出力 | HI | 144MHz帯/430MHz帯 | 50W / 50W | 20W / 20W | |
MID | 144MHz帯/430MHz帯 | 約10W / 約10W | 約10W / 約10W | ||
LOW | 144MHz帯/430MHz帯 | 約5W / 約5W | 約2W / 約2W | ||
変調方式 | リアクタンス変調 | ||||
最大周波数偏移 | ±5kHz以内 | ||||
スプリアス発射強度 | -60dB以下 | ||||
変調歪 (300Hz 〜 3kHz) | 3%以下 | ||||
マイクロホンインピーダンス | 600Ω | ||||
受信部 | |||||
受信方式 | ダブルスーパーヘテロダイン方式 | ||||
中間周波数 | 第1 IF (A Band/B Band) | 45.05MHz / 49.95MHz | |||
第2 IF (A Band/B Band) | 455kHz / 450kHz | ||||
受信感度 | 144MHz帯/430MHz帯 | 0.16μV(-16dBμ)以下 | |||
スケルチ感度 | 144MHz帯/430MHz帯 | 0.1μV(-20dBμ)以下 | |||
選択度 | -6dB帯域幅 | 11kHz以上 | |||
-50dB帯域幅 | 30kHz以下 | ||||
低周波出力(8Ω) | 2W以上(5%歪時) |
*測定法はJAIAで定めた測定法による
< 商標について >
●Google EarthはGoogle Inc.の登録商標です。●APRSはBob Bruninga氏の米国登録商標です。●EchoLinkはSynergenics, LLCの米国登録商標です。●ナビトラ / NAVITRAは、(株)JVCケンウッドの登録商標です。●その他、記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
- 【報道関係窓口】
- 株式会社JVCケンウッド ブランド戦略推進統括部
TEL : 045-444-5310 〒221-0022 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番地 - 【お客様窓口】
- JVCケンウッドカスタマーサポートセンター
TEL : 0120-2727-87(フリーダイヤル)/携帯電話・PHS・IP電話 : 045-450-8950
<本資料の内容は報道発表時のものです。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。>
- ※株式会社JVCケンウッド、日本ビクター株式会社、株式会社ケンウッド、J&Kカーエレクトロニクス株式会社の4社は2011年10月1日をもって合併し、株式会社JVCケンウッドとなりました。