写真はオプションの270Hzルーフィングフィルター装着状態。
TS-890では、受信信号系には第1 IF周波数8.248MHzのダウンコンバージョン方式を採用しました。そのため、通過帯域幅が500Hzや270Hz(オプション:YG-82CN-1)の狭帯域クリスタルフィルターをルーフィングフィルターとして使用することが可能になり、強力な近接不要信号排除特性を実現しています。第1ミキサーにはH-modemixerを搭載。使用デバイスだけでなく、入出力のマッチングなども細部にわたってチューニングし、変換特性を向上させました。
三次相互変調ダイナミックレンジ特性
(3rd IMDR)
レシプロカルミキシングダイナミックレンジ特性
(RMDR)
ブロッキングダイナミックレンジ特性
(BDR)
測定条件(共通)
Frx=14.2MHz、PRE AMP OFF、BW 500Hz、CW
縦軸:ダイナミックレンジ(共通)
横軸:妨害信号の間隔(3rd IMDR)、妨害信号の離隔周波数(RMDR、BDR)
測定値、グラフは測定例です。
バンドスコープ用受信部の構成は、第1 IFをA/Dコンバーターでサンプリング(14bit/39MHz)、FPGAによるデジタル・ダウンコンバート方式としました。これにより掃引方式もステップFFT方式からFFT方式に変更となり、スパン設定によらず高速な表示更新を実現しています。
近接妨害信号排除能力は、ルーフィングフィルターや信号系デバイスだけでは決まりません。第1ミキサーに供給する局発信号のピュアリティーも極めて重要です。本機では、VCO分周方式をさらに発展させ、ギガヘルツ帯で高いC/N特性を持つVCOデバイスと近接C/N特性に優れたリファレンス発振回路を組み合わせることで従来機では得られなかったC/N特性を実現しました。
第1局発フェーズノイズ特性(14.1MHz)
32ビット浮動小数点DSPにより、すべてのモードでの変復調、IFフィルター、IF-AGC、混信除去等の多彩な機能を実現。
聞き疲れのない良好な音質で好評のIF-AGCはブラッシュアップされ、ルーフィングフィルターとIFフィルターの組み合わせや様々なノイズの状況下で最適な制御を行うよう設計されています。
IF DSP、送信部用
ADSP-21363 clock @332MHz
バンドスコープ用
ADSP-21363 clock @332MHz