50Vで動作するPOWER MOS FET VRF150MPをプッシュプルで使用。200Wという高出力を安定して全バンドで得ることができます。このFETの特性を余すところなく生かすためにバイアスやマッチング条件を追求し、優れたIMD特性を実現しています。DSPが生み出すクリーンな変調信号をリニアリティの良いアンプで増幅することで、定評のあるケンウッドトーンを実現します。
※200W出力はTS-990Sのみ。TS-990Dは50W出力です。
1.8MHzから50MHzのアマチュアバンドをカバーし、受信時にも動作可能なプリセットタイプのオートアンテナチューナーを内蔵。高速動作で定評があるリレー方式により、瞬時のバンドチェンジによる迅速なQSYが可能です。リレー、コンデンサー、コイルなどは200Wの大電力に耐える、大型の部品を使用しています。
内200Wの出力を安定して得るには、クーリングが非常に重要です。TS-990では大型のアルミ製ヒートシンクによるフィンタイプ構造で放熱効率を向上。さらにスイッチング電源、ファイナル部、アンテナチューナー用に独立した速度可変のファンを設け、各ユニットを充分な風量で冷却します。なおスイッチング電源、ファイナル部はツインクーリングファン構成。温度検出により回転数を制御することで、静音性を高めています。
熱シミュレーションの一例
200Wファイナルの熱を放熱させるため、従来のアルミ押し出しフィンに代わりカシメ式フィンを採用。放熱に最適なフィン形状やサ イズを実現するためにCAE解析に基づいて設計しています。